山形県歯科医師会
会長 土門 宏樹
誰でもいつまでも健康で長生きしたいものです。いま、健康長寿の秘訣は歯と口のケアが重要であるとの研究結果が数多く出されており、歯と口が健康であることはただ美味しく食べるだけでなく、全身の健康と密接に関わっているのです。
8020という数字をご存知ですか。自分の歯が20本未満になると、うまく食べられない、滑舌が悪くなる、表情がとぼしくなるなど、QOL(生活の質)が大きく下がります。このため、「80歳で20本以上、自分の歯を保つ」ことが生涯にわたるQOLの維持・向上に欠かせません。
歯を失う原因の第1位が歯周病。歯周病は、ギネスブックで「全世界で最も患者が多い病気」といわれます。歯周病の怖さは歯を失うリスクが高いだけではありません。 歯周病になると糖尿病が悪化し、糖尿病は歯周病をも増悪させます。高齢者では歯周病とアルツハイマー型認知症との関連が示唆され、さらに、誤嚥性肺炎、心臓疾患、肥満、早産・低体重児出産、リウマチにも影響しているとされており、歯と口のケアで多くの病気のリスクを下げることができます。
むし歯も歯周病も、早期発見が大切。生涯にわたり、自分の歯で食べ、笑い、話すためには、かかりつけ歯科医をもち、定期的にチェックとアドバイスを受けて、毎日続けるセルフケアが大切です。また、歯科医院では、セルフケアでは取りきれない歯垢や歯石を専用器具で除去してもらえます。あなたに合った「かかりつけ歯科医」を見つけてください。プロによる治療とケア、セルフケアの三本柱で、歯と口の健康を守りましょう。
歯科医師は歯科医師法に規定され「歯科医療及び保健指導を掌ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」と記載され、山形県歯科医師会は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)」に基づいて設立された社団法人です。山形県歯科医師会は令和元年現在、創立113年となり、山形県歯科医師国民健康保険組合、歯科衛生士養成のための山形歯科専門学校、山形県歯科医師連盟を併設しています。
山形県歯科医師会は会員数527名、診療所460名、会長含め常務理事14名監事3名の役員で、県内11郡市地区歯科医師会から構成されています。理事会、監事を置き、代議員制度で役員などの任期は6月から1期2年、5月までとしています。会計は実施事業、その他会計、法人会計からなっています。
歯科医師会、歯科専門学校は合わせて年間約600の事業があり、各常任委員会などで分担し事業を行っています。
歯科医師会は良質な医療を提供するために生涯にわたる学術研修の機会を設け、さらに安心安全な医療を担保するため定められた研修や機材の整備を指導しています。山形県でも平成25年10月11日山形県条例第49号「やまがた歯と口腔の健康づくり推進条例」が制定され県民や歯科医師、そして行政の責務が明記され、口腔衛生活動を推進しています。
むし歯や歯周病に対する歯科診療・予防のほか、生涯にわたる歯科健診の推進、高齢社会における医療や介護との医療連携、災害時救急対応など、広く県民の歯と口の健康の維持向上を目指し活動しております。
山形県歯科医師会倫理綱領に「山形県内の歯科医師は本歯科医師会に入会すること。」と謳われています。歯科医師として、地域の保健・医療・福祉に寄与する必要があります。それを全うするためには個人では限界があり、同じ職業、同じ目的を持った仲間が、地域住民の健康を守り、健康意識を高めていかなければなりません。明るい未来構築を目指して山形県歯科医師会に入会し一緒に歩んでいきましょう。
歯科医師会への入会は、郡市地区歯科医師会⇒山形県歯科医師会⇒日本歯科医師会の順に入会いただくこととなります。入会についてさらに詳しくお知りになりたい先生方は、山形県歯科医師会TEL023(632)8020・FAX023(631)7477へご連絡ください。